[Tips 03] 女性モデルさんとのコミュニケーション術

[Tips 03] 女性モデルさんとのコミュニケーション術

もともと私は女性と親しげに、ないしは気軽におしゃべりできるようなタイプではない。
イケメンとブサイクという二大カテゴリーでざっくり括るとしたら、ほぼまちがいなく後者に属する男である。
そのため、自信をもって女性と接することなど、人生においてほぼなかったと断言できる。

そういうタイプの男性が、いくらポートレイト撮影であるからとはいえ、急に女性に対してリラックスした態度で臨めるかといえば、そういうことはない。
やれ、自分のことはどう思われているのか。
やれ、自分の一挙手一投足が不穏に思われているのではないか。
などなど。

いやまあ、そこまでネガティブにならない人であったとしても、ポートレイトの女性モデルにどうやって声をかければいいか躊躇するひとも多いだろう。

そして実際、私もそうだし、今でもそうである。
だいたい、ナンパなんか一度もしたことがない人生において、いきなり路上を歩いている女性に「モデルやりませんか?」なんて声はかけられない。

もっとも、そういう男性諸氏が多いからこそ、モデル撮影会というものも売れる商材なのだろう。
被写体は、集まっているカメラマン全員からレンズや視線を向けられることのみを前提にし、カメラマン側もその前提どおりに、しかもコミュニケーションもなくポージングの指示もなく、モデルさんが自律的に表現してくれるその瞬間を切り取ることに集中できる。
そういう意味では、撮影に集中できるメリットは最大公約数であると思われるし、そういう撮影も決して悪くないと思っている。

Sachiho

Sachiho

のだけれど、私は一度もモデル撮影会には参加したことがない(見かけたことはあるけれど)。
なぜかと言われると、カメラマン側の自由度や裁量がほぼほぼないからだ。
もちろん、撮影会でも「こっち向いて」などと指示すれば、瞬間向いてポーズをとってくれるだろうが、モデルの占有時間は、本当にその瞬間だけしかない。
多くのカメラマンが、目の前のモデルさんを自分だけで占有したいと思っていると思うが、当然のことながら時間は有限であり、モデルさんも多くて数名だろうから、シェアリングできる時間は限られている。
あわよくば、他のカメラマンの指示した状態を傍から撮影することで、案外いい構図で撮影できたというラッキーパターンもあるのかもしれないが、それが望み通りのシチュエーションであるかどうかは何とも言い難い。

そんなわけで、私はモデル撮影会に参加したことは一度もないのだけれど、もっとも私の場合はそれ以前に、モデルを撮影しようと思った経緯が他の人と異なるからというのもあるかもしれない。
その経緯についてはTips01を是非読まれたい。

そんな私がどうやって女性モデルさんたちと撮影前にコミュニケーションをとっているのか。
「どうやって」というよりは「何を」というほうがいいのかもしれない。



「どうやって」(=手法)については、おそらく、無い。
これはもう、自分から話しかけるしかないからだ。
私の場合は、まずはメールやチャットからのコンタクトになるので、その中で文字だけのコミュニケーションに始まる。

これ自体は誰でもできることだろう。
Tips02でも、メールの実例をもって紹介しているので、是非こちらも参考にされたい。

そのメールの中で、打ち合わせのタイミングを設定することになるが、この時からコミュニケーションはすでに始まっている。
Tips02でも書いたように、モデルさんに対して不安を与えないようにしつつ、かといってライトすぎる会話にもならない程度のバランス感覚でいなければならないだろう。

何てことはない、要するに「店員さんとお話をする」程度の距離感でいい。
メールやチャットなど、文字ベースでは表情や声の抑揚などが伝わらない以上、自分の高揚感をいくら文字だけでモデルさんに伝えようとしても無理だし、だからといってセルフィーや動画を送るわけにもいかない。

もちろん、この新型コロナの状況下で多くの人が普通に使えるようになったであろうリモート会議システムやリモート通話などでコミュニケーションを取ることも可能だ。
実際に私もすでに、新しくご応募いただいたモデルさんとLINE通話で打ち合わせをさせて頂いたこともある。
ただし、それは(カメラマン側から打診をしつつも)モデルさんが望んだ場合に止めるべきであろう。モデルさん側もリモート打ち合わせを望んでいるのであれば、対面の打ち合わせと変わらず行うことができる(だからといって撮影前の対面打ち合わせは省略しないほうがいいだろう。私は省略しない)。

じゃあ何の話をするかっていうところが、ようやく今回の本題になるのだが(前振りが長くてすみません…)、基本は撮影に関する話。
でも、だいたい撮影の話だけで進めると、10分も持たないだろう。

特に初心者やアマチュアのモデルさんの場合、自分がどう撮られたいかなどはあまり確定的なイメージを持っていない場合がほとんどなので、そこで話を盛り上げるにしても、カメラマン側から提案したり、「こういう指示を出したりすることがあるけれど対応できますか?」のような会話になって、その可否を意回答してもらう(否定されることはほぼないとは思うが)、というパターンに終始することが多いだろう。

さて、そういう話が一通り終わってしまった場合に、どういうコミュニケーションをとるべきか、というところが、慣れない方には難しいポイントなのかもしれない。
というのも、私も別にそこを最初から慣れていたわけでもないし、もっと言えば、誰かに教えてもらったわけではない。
主に以下のようなネタを使うことがあるが、すべてのモデルさんに対して、この会話をするとは限らない。

  • ・自己紹介(本業の話をサラッとなど。自分の手の内をお話して少しでも安心感を得てもらう目的)
  • ・モデルさんに関する情報(プライベートな話題になるので注意しながら)
  • ・今日の撮影の流れや、撮影
  • ・これから撮影する場所での、過去の撮影話(ロケーション話やシチュエーション話など)
  • ・最近のできごと(身近でも社会ネタでも、話がそこそこ膨らみそうなものに限る)
  • ・趣味が合う話題があったら、その場でそのネタを(映画とかドラマとか)


Sachiho

Sachiho

これが全てではないけれど、こういうところを切り口にして、話をすればいいだけの話であろう。
というか、それしかない。

私個人としては、撮影に必要な情報をモデルさんに与え、撮影に必要な情報をモデルさんから引き出し、モデルさんが気持ちよく、あるいはリラックス、もしくは不安なく撮影に臨んでもらえるような空間演出(っていうほど大袈裟ではないけれど)ができれば、それでもう成功だろうなと思っている。
だから、別にそれがどういう話題であろうが、どういう話であろうが、なんでもいいだろう。
いま注文したコーヒーに桜の花びらがひとひら落ちたら、それが会話の契機になれば、もうそれで十分なんだろうと思う。

そのぐらいの会話量で30分ぐらい色々な話ができれば、撮影には普通に臨めるだろう。
仮に、まだ足りないなと思っていたとしても、実際に撮影に入ってしまえば、あまり感じないし、撮影の途中でもいろいろな話をする機会があるので、そこでモデルさんにはリラックスしてもらうことはできるはずだ。

会話のネタがあれば会話ができるわけではないと思ってる。
会話をしてモデルさんにリラックスしてもらおう、よい撮影をしてもらおうという気持ちがあれば、自然と会話は生まれるものだろうし、自然と話も派生するものだと思う。

どうしても、そういうのが難しいと思うのであれば、知り合いや友人の女性を使ってモデルをお願いして、トライしてみるのが一番よいと思う。
そのモデルさんの写真を世に出せるかどうかはわからないけれど、モデルをやってみたいという女性が目の前に現れて、その人に喜んでもらえる写真を撮ろうと思えば、自然とコミュニケーションはとれていくはずだから。




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