[Tips 06] 女性モデルさんとの「べからず集」
こちらもまた、女性モデルさんと打ち合わせをしたり、休憩中にコミュニケーションをとっていると、よく耳にする話のオンパレードかもしれない。
特に、というか、おおむね男性カメラマンによる女性モデルとの撮影現場でみられる「やってはならぬ」シーンであろう。
もったいぶっても仕方がないので、モデルさんから実際に聞いたいくつかの「イヤだった男性カメラマンのふるまい」を書いてみる。
- デート状態(ほとんど撮影しない)
- 無言の撮影
- 自分が欲しいものだけ撮ってさっさと終わる(撮影時間が極端に短い)
- 自分が欲しいものがわからず延々取り続ける(撮影時間が無駄に長い)
- 憩ナシで撮影し続ける
- ポーズなどの指示がない
- 撮影中の写真を見せてくれない
- モデルが希望する撮影をしてくれない
どれも言われれば「そりゃあかん」という話ばかりだろう。
しかし、それをわからずにやっているカメラマンも多いのかもしれない。
とくに十分注意しなければならないのは、1.のデート状態ではないだろうか。
ステキなモデルさんを前にして浮かれてしまう気分は男性カメラマンなら誰しも経験があると思うが、カメラマンの枠をはみ出してしまえば、モデルさんを傷つけてしまうことにもなりかねない。
いや、確実にモデルさんは傷ついているだろう…。
ポーズ指示がない、無言のまま撮影、撮影中に写真を見せないというのは、ポートレイト撮影におけるコミュニケーションの面からみても最悪であると言わざるを得ないと思う。
デジタルカメラのなかったフィルム時代であれば撮影中の写真を見せることはできなかったが、現代の撮影でそれをしない理由はまったく見つからないだろう。
どのように撮影されたのかを確認したい。撮影中でもそう思うモデルは普通だ。
ちなみに、撮影中の写真をカメラの液晶などでモデルに見せることの副作用というのがある。
モデル側から「こうしたらどうだろう」「こういうシーンも撮ってみては」などの逆提案をもらえる場合があるのだ。
その提案が良いかどうかは、その場で検討する余地はあるかもしれないが、やってみる価値は十分にあるし、新たな発見やモデルとの共同作業という重要な感情がカメラマンとモデルの双方に生まれる可能性もある。
カメラマンが希望するものだけ撮ってして終わる撮影は、時間の長短に関わらずモデルにとっては悲劇に他ならないだろう。
これらのカメラマンの感情は、そもそも抑制できるものなのだろうか、と考えた時、もしかしたらカメラマンとして本質的にそうしてしまう何かがあるのでは、と思わなくもない。
自らが撮りたいものを撮るというのは、実にその傾向に即しているとも言える。
そして、それが決して悪いことかと言うと、必ずしもそうではないだろうとも思える。
ただそこに、モデルの目線や希望が入らないことは、プロであれアマであれ、ポートレイトフォトグラファーとしては失格であろうというのが、自分の信ずるところである。
そしてこの記事のいわんとしている「べからず集」という意味では、さきに挙げたダメなふるまいをしてはならぬということになる。
しかし、究極的いや本質的なことを述べるのであれば、カメラマンの心情に「モデル・ファースト」が存在しうるかどうか、ということになると私は考えている。
女性モデルさんとの「べからず」。
それは「モデルさんの意志を毀損すべからず」と言えるだろう。
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